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ぎんぎらぎんにさりげなく宿題さぼって公園で野球。おいそっち側は外野だぞキャッチャー。え?俺が今決めたんだよほら早くしてくださいよ。はいきた真剣勝負逃げるなよ負けたチームがアイスおごりだから。よおし燃えてきたぜプレーボール。ピッチャー僕、記念すべき一頭目は鉄板のネタ。呼吸を止めて一秒あなたくしゃみ寸前の顔をするから手元が狂ってボール。てめぇデッドボール喰らわされてぇのかよ。ほら手加減しねぇぞストライクストライクストラエクストラでもう一球ってははは冗談だってってなんてやってるうちに攻守交代だってさつまんねぇ。お、あいつ打ちやがった。やるじゃん全身木偶の棒なだけあらぁ、よっしゃ次は僕が一発かましちゃるからよく聞いておけ、自分の口から出て来ても気にしないマイ・テーマソング「ラ・ディオ・タイソ・ウンのテーマ」かかるぜすなわち、でーんでーででーんチャラリラでーんでーででーんちゃらりらどーんでーでどーんでーでじゃーああん。あーたーらしーいーあーさがっきったッッきーぶぶブっテメェわざと当てやがったなもう堪忍ならねぇ。おいどけろよなんであいつのことかばうんだよすごくすごくフェアプレーが好きなことただ暴力で伝えたいだけなのにウウぅぅう、泣いてなんかないよ痛くなんか悔しくなんかないもんなんで僕が悪いみたいになってるんだよギザギザハートも理不尽さにびっくりだよもう野球なんてしないよちくしょー、あ。悪かった、僕が悪かったから一緒にボール探そうぜ、頼むよ一人にしないでよもう野球なんてしないなんて言わないから、またやろうよ。な?ありがとう、みんなみんなありがとう。手の中で草振り分ければまた振り出しに戻る夕焼けだけど、こんな日々が楽しいよ。そんな柄じゃないってかうるせぇよ、はいはいちゃんと探すから、お。幸せのトンボがこっちみて笑ってら。あった?良かったじゃぁ帰ろうか、おなか減ったな背中とくっつきそうだっ、てこれこそ僕に似合わないだろなんでみんな首振るんだよ童謡なんてずいぶん昔の歌だよ。今好きな歌?とっとこハム太郎だよ。みんなも好きだろ?だよな、じゃぁ明日は僕の家で勉強会しようぜ、違う宿題じゃないよゲームの勉強だよあたらしいソフト手に入ったんだ。へへへ照れるな褒めるなよもう。あ、一番星みっけ!願い事!

あれから幾廻りもの季節があって、
僕達は何かを信じてこれたかな?夜空の向こうには明日がもう待っている。


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※やはり俺にこういうスタイルは難しい。
意味不明三部作・上
2011.12.17 Sat l 1000文字小説 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 はてさて、だいぶ投票者が増えたようだ。短編(http://tanpen.jp/)の第111回コンペ。
 かなり言いたい事を言うが、せっかくなので票を入れなかった作品にもコメントを書いておこう。あの論調で。

 追記から↓
2011.12.17 Sat l 短編(サイト)関連 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 「またかよ畜生」
 剛志はついにラジオを乱暴に掴むと台所の向こうへ放り投げた。ちょうど十三曲目のクリスマスソングがかかり始めたところだ。しかし賑やかなムードはプラスチックの割れる音と共に一転、通夜のような静けさが部屋を訪れる。動く隙はない。
 「どうしてこの時期になるとどこもかしこもクリスマスクリスマスと騒ぎ立てやがって畜生」
 「大人になれよ剛志」
 そう宥めるような声で言ったのは義男だった。
 「どんなに素晴らしいクリスマスソングも、この時期にしかかかることができないんだよ。年に一度のチャンスじゃないか。寛容になろうぜ」
 特大のフライドチキンとふわふわのケーキとポテトサラダが無駄にきらきら輝いているテーブルを、剛志はドンと拳でたたく。やはり、動く隙はない。
 「俺たちみたいな連中が聞いても意味ねぇじゃねぇか畜生」
 傷を舐め合う男たちほど、惨めなものはない。しかしそれ以外にこの夜を越える手段がない以上、受け入れるしかないのである。だが悔しくて敵わない。その言い分に、共感を覚えない者はおそらくいないだろう。
 「でもな」
 そう言いながら彼の肩を叩いたのは和喜だった。
 「俺たちだからこそ聞いてやれるんだよ。いちゃいちゃしてる奴らを見てみろよ。自分たちの幸福しか見えてない。クリスマスソングなんてものは、ヤツらにとっては引き立て役でしかないんだ。でもそれじゃぁ、今しか流れる事ができないのに、それ自体のよさを評価してくれないクリスマスソングたちが可哀相過ぎるじゃないか。俺らだけなんだよ。盲目じゃないのは」
 そんなことを目的とした集まりであるということは全くなかったが、その主張には誰もがしんみりとうなずくのだった。今なら、動けるだろうか。しかし智也が口を開く。
 「でもまぁ、ラジオ壊れちゃったし、俺のアイポッドかけようか。正月フォルダが火を噴くぜイエェェェエ!」
 すると俄然狂ったように踊り出す一同。クリスマス会場はあっという間に大晦日の前祝会場と化していた。
 なんと調子の良い連中なのか。剛志も涙をぬぐってチキンを噛み千切りながら阿波踊りに加わっている。しかし、そうやって思い出は作られていくのだろう。やがて近所から苦情がこようとも、その光景は微笑ましさ以外のなにものでもない。
 そう、それが青春なのである。彼らに罪は無い。
 ノックするタイミングを掴めないままベランダの外側で佇んでいるサンタ姿の僕に気付かなくとも、彼らに罪は無い。


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※僕「食べたいな、あのフライドチキン」
そういう話である。
2011.12.16 Fri l 1000文字小説 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 借金を踏み倒そうと思ったらヤクザに目をつけられた。それだけで説明が終わってしまう俺の末路。そんなのはゴメンだった。
 野良猫が脱兎のごとく逃げ出していく。その滑稽に目を向ける暇も無いほど俺は必死に逃げていた。空き缶を蹴飛ばし、水溜りを思い切り踏み越えた。しかし次の交差点に差し掛かるとき、先回りしたのであろう黒ずくめの男が銃を構えて現れる。
 もうだめかと思ったその時、頭上から降ってきたのはスカート。いや、スカートを翻しながら黒ずくめに明確な敵意のこもった蹴りをねじ込む茶髪の女だった。
 「逃げて!」
 俺は女の出所が電柱であるのを確認してからその横を通り過ぎ、角を曲がってひた走る。まもなく銃声とともに血の迸る音がする。俺の足は止まらない。
 追っ手の気配がなくなり、ようやく走るのをやめて物陰に隠れ粗く息をつくと、聞き覚えのある声が降ってきた。
 「あなた、大丈夫だった?」
 上を見ると女がいて、俺は戸惑う。その声は確かにさっき聞いたものだが、その女は黒髪だった。いや、でも服装はさっきの女と同じだ。
 「誰だ、あんた」
 「あら、さっき会ったじゃない」
 そう言うと、女はスカートをなびかせて飛び降りた。べっとりと血がついている。
 「おい、その血は」
 「平気よ。仮面が割れただけだから。私にはまだ、百二十七枚もあるの」
 女は不敵に笑うのだった。
 「ねぇ、あなた今日、泊まる場所がないでしょう。私のところに来ない?」
 俺に従わない理由は無い。
 それから女の塒に住みつく事になった俺は、毎晩その女と寝た。女は蒲団の中で会うたび違う顔になっていた。 「どんどん割れてくのか」と聞けば、「どんどん重ねてるの」という。
 「だから貴方のおかげでちょっとだけ、私の顔は軽くなったのよ」
 女は裸体の熱を俺に押し付けて悪戯に笑う。
 でも、俺は素直に笑い返すことができない。どんなに妖しくても艶かしくても、それは仮面に過ぎないのだ。ある日俺は女に問うた。
 「なぁ、お前の素顔は、どういうふうに笑うんだ?」
 「あなたにそれを、知る必要があるの?」
 仕事だって見つけてあげたし、毎日おいしい料理も食べさせてあげているわ。何か不満があるの?私の体じゃ満足できない?
 女の仮面は不安げに俺を見ていた。
 「寂しくないの?」
 百四十三枚も重ねた仮面の下にある彼女の素顔が、どんな表情を見せたのかは知る由もない。
 「貴方だって、それは同じじゃない」
 そう言われた俺だって、人のことは言えないのだが。


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※「素顔同盟」との相似に直接の因果は無い。
2011.12.16 Fri l 1000文字小説 l コメント (0) トラックバック (0) l top
 ただでさえ足音が痛いくらいに響くのだ。十人弱で押し掛けて、倉庫の中はお祭り騒ぎのような賑わいになった。ここは知っている。最初の殺人現場だったからだ。奇しくもここが奴の最後の舞台になるとは。
 「さぁ、もう逃げ場はないぞ。観念しろ!」
 私はどちらかといえば「勘弁しろ」と言いたかったが、先頭に立って拳銃を犯人に向け、仁王立ちで格好良く決めねばならない立場上、そんなことを言えるはずはない。しかしなんだか今の言葉も、反響の末耳に入って来ると滑稽に思えてくる。
 「待ってくれ。もう逃げないから、最後にささやかな願いを聞いてくれないか」
 ゆっくりと手を上にあげながら、奴は懇願の色を顔に浮かべて私に言った。
 「なんだ!?」
 「歌を!歌を歌わせてほしいのです。最後に、このホールで、レクイエムを歌わせていただきたい」
 奴はかつてオペラ歌手だった。どうしてこんなことになってしまったのか。
 その願いはエゴだった。しかし捜査員の中にも同情のため息を漏らすものがいる。どんな歌を歌おうと、もう奴に望みはない。
 「わかった。ここで聞いていてやる!」
 私は銃を構えたまま叫んだ。
 そして奴は歌い始めた。魂を込めたレクイエムの調べが我々を包み込む。
 ああ、私はこれまで、こんなに美しい歌声を聴いたことがあっただろうか。悲しさが満ち満ちている。痛みが押し寄せる。これは奴の痛みなのだろうか、それとも――。
 その時、私は目を見開いた。
 倉庫の窓からは、雨上がりの空から、淡い光の筋が無数に床へ降りてくる。そして驚くべきことに、純白の羽毛がその周りを舞っているのだ。それから間もなく、我々は全員息をのんだ。翼の生えた子供たちが、笑いながら下りてくるではないか。あれは、天使。
 レクイエムは続いている。それに耳を傾けるように、天使たちは微笑みながら奴のもとへと降りていく。奴の顔は悲哀に満ちている。その一方で、私は幸福が湛えられていることに気がついた。
 なんだ、これは。
 「……やめろ。やめろ!逃げるな!!」
 炸裂音が奴の歌声をさえぎり、倉庫の中に響く。
 もう天使も、羽毛も、光の筋もなくなっていた。そして、奴の息も。
 奴は血を噴き出しながらゆっくりと倒れていく。
 捜査員が一人一人、奴の下へと駆け寄っていく。
 耳には、余韻が残っていた。奴が奏でていたレクイエムの、壮絶な余韻。

 私は立ち尽くしていた。何が起こったのかを考えていたのだ。
 なぜ私の銃口から、硝煙が上がっているのか。
2011.12.16 Fri l 1000文字小説 l コメント (0) トラックバック (0) l top