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こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当ほうじょうです。今日のテーマは「今でもまだ後悔していること」です。過ぎたことは後悔しても仕方ない…そうはいいますが、「やっぱりああしておけばよかった」そんなことって、ありますか?あのときあっちの道を選んでいたら…Ifの世界なんてありえないとは言いますが、それでも想像するだけならタダほうじょうは、ほしいと思ったアクセサリーがちょっと今月お金の使いすぎだ...
トラックバックテーマ 第1309回「今でもまだ後悔していること」



 小学校の同窓会なんて、あったんだ。はがきを見て僕は心から驚いた。だってもう10年前だろう。よく届いたなぁ、と僕ははがきに頬ずりをする。頬ずりはしたけれど、参加するかは、わからない。

 懐かしの母校。僕は卒業以来、そこへはまだ一度も訪ねたことがなかった。地元を離れてからでさえ、帰省の際には立ち寄ることもできたのだけれど、どうしても足が重くて、いつも積極的になれなかった。

 ウコッケイを殺したのだ。あの日、飼育委員の美由紀ちゃんが、具合の悪い様子だったから、僕が代わりに小屋の掃除を引き受けた。小屋は思った以上に臭くて、ものの1分くらいでうんざりしていた気がする。僕は美由紀ちゃんのことが好きだったけれど、当てつけのように、美由紀ちゃんにもうんざりした。一匹だけのウコッケイは、よく鳴いた。よく鳴くくせに、僕が近づくと慌てて逃げた。だんだんそれが可笑しくなって、いらいらしていた僕は、いらいらの分まで余計にウコッケイを追い回した。いつの間に殺してしまったのか、そこは記憶がおぼろげだが、気づくと僕は死んだウコッケイを見おろしながら立ちつくしていた。まずい。そう思うと、考えるより先に、鞄を背負いウコッケイを抱えて走り出していた。

 死骸は帰り道の川に捨てた。小屋の戸を開けっ放しにしてきたので、翌日、ウコッケイは誰かが逃がしたのだろうという話になった。犯人にされたのは、美由紀ちゃんだ。彼女は僕が関与したことを誰にも喋らなかった。僕を責めることもしなかった。以来、僕は彼女と顔を合わすことを避け続けた。

 はがきをもう一度眺めた時、幹事が美由紀ちゃんであることを知って僕は思わず頬をつねった。電話番号が書いてある。僕は迷わず携帯電話を開いた。

 本当に、謝りたかった。美由紀ちゃんは、可愛らしいけど艶のある声になっていた。僕の電話に驚いた様子だったけれど、あの日のことを話すと、もう許してるよ、と言って笑ってくれた。

 『そんなことより、同窓会、くる?』

 明るい声に対して、僕は申し訳なさそうに「どうかな」と答えた。

 『えー。来ないと絶対損だよー?』

 僕の心は大きく揺らぐ。
 
 だがこの時の僕は、彼女が何を言おうとしているのかを、まだ理解していない。

 『一緒にウコッケイ小屋に行こう?』

 え、何で?

 彼女は無邪気に続ける。

 『そろそろ供養しなくちゃ』

 僕は言葉に詰まった。

 ……そろそろ?

 『君の後ろにウコッケイ、まだたぶん、いるよ?うるさいもん』


※この物語はフィクションであり、実在する人物及び団体とは一切関係がありませんことをここに注意喚起いたします。
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2011.11.07 Mon l 1000文字小説 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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