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それは、決して小さくない衝撃だった。

ある日、俺は学校に行くと、一番仲が良かった棚橋が教室にいないことに、不信感を覚えた。
一日だけならまだしも、その日はもう彼が休み始めて三日目だったのだ。
だから俺は斉藤に尋ねた。
「なぁ、棚橋、どうかしたのかな」
すると斉藤は少し驚いた顔をした。
たぶん、俺に話しかけレラたことが驚きだったのだろう。
なにせ、俺はいつもあんまり多くの連中と絡まないし、「ガタイがでかくてちょっと怖い人」だと思われていたらしいのだから、まぁ当たり前と言えば当たり前だ。
斉藤はモゴモゴしながらこう言った。
「田中……知らないのか?」
予想外の問いかけに、つい俺は「は?」と返事をする。
眉間にしわが寄ったので、斉藤は俺の顔を見てちょっと引いていた。
しかし、お前は何が言いたいんだ?
それをなるべく柔らかく尋ねると、クラスで一二を争うとろさの斉藤は、それからゆっくりと、俺にとんでもない事を教えるのだった。
「棚橋、廃棄されたんだってさ」
俺は斉藤が何を言っているのかいよいよ分からず、しばらく口から言葉が出てこなかった。
しかしそのまま黙っていると、斉藤は溜息をつき、「田中、お前忘れたのかよ?」などと呆れながら、おもむろに語り出した。
「そんなに驚く事か?俺たち、どの道殺されるんだぜ?喰われるか、それよりちょっとだけ早く処分されるか。それだけの違いだよ。ほら、佐藤もいないだろ?あと、二宮も。奴らは皆、喰われたんだよ。それにお前だって――」

俺は言葉の続きを聞かずに、教室を飛び出していた。
まさか、そんな!こんなことって……!

俺の脳裏には、つい先日の記憶が蘇っていた。
その日、寝付けずにいると、俺の前に魔法使いと名乗る奴が現れたのだ。
彼は俺に言った。
「君は今の生活に満足していないようだね。つかの間だが、今よりマシな世界の夢を見せてあげよう」
俺は驚いた。しかし食いついた。本当に、今の生活は気がどうにかなりそうだったのだ。
そう、だから、これは現実よりもマシな夢の筈だった。
ところがどうした、とんだ悪夢じゃないか。
こんな仕打ちが……あるのか――?

目を覚ます、
人間がいる、
たくさん、囲まれている、
人間怖い、
いやだ、

「モォォオオオオオオオオ!!!」

「ああ、こいつもだめだな。狂牛病だ」
「え、そうかぁ。いい霜降りだと思ったんだけどなぁ」
「よっしゃ、まぁ、早いとこ処分場に連れて行こうか」

「モォォオオおおおおおお!!!」


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※正直、こういう作品を書くのはあまり好きじゃありません。
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2011.12.01 Thu l 1000文字小説 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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